【職人インタビュー③】一本の糸が、布になる瞬間 

【職人インタビュー③】一本の糸が、布になる瞬間 


― 織り職人・Sさんの静かな仕事 ― 

工場の中には、規則正しいリズムが流れています。

ガチャコン、ガチャコン、ガチャコン。

織機が動く音。
その前に立ち、布がゆっくりと生まれていく様子を見守っているのが、織りを担当する職人Sさんです。

ストールは、完成した一枚を見るととても軽やかで、やさしい存在です。
けれど、その裏側には、一本一本の糸と向き合う地道な仕事があります。



一日の始まりは「機械の声」を聞くこと

Q.ストールを織るのに、最初に確認することはなんですか?

まず朝、作業が始まると確認するのは織機の状態です。

糸は問題なく通っているか。
機械は正常に動いているか。

ほんの小さな違和感でも、そのまま織り続ければ生地に影響します。

だからこそ、最初の確認はとても大切です。

織機の音を聞き、糸の張りを見て、「今日もきれいに織れるか」を確かめながら仕事を始めます。



一番神経を使うのは「糸」

Q.もっとも気を遣う瞬間はどんな時ですか?

ストールづくりで使う糸は、とても細いものが多いです。

特にmutoでは髪の毛と同じくらい、もしくはそれより細い糸を使っているので、取り扱いに非常に気を使います。

細い糸は、美しい生地を生み出してくれるのですが、とても繊細です。

少しでも通し方が違えば、模様が崩れたり、生地の表情が変わってしまいます。

なので糸が正しい場所に通っているかを何度も確認しながら作業します。

一本の糸のズレが、その1枚の生地だけではなく1反(約10〜20m)全てダメにしてしまうからです。



「きれいに織れた」と思う瞬間

Q.「これはいいな」感じる仕上がりの時はどんな瞬間ですか?

私が美しさを感じる瞬間は、とても細い糸で織っているのに、生地の模様がはっきり見えたとき。

細い糸は軽くて柔らかいぶん、扱いが難しい素材です。

それでも、織り上がった布にきれいな模様が浮かび上がると、

「うん、いい仕上がり」と心の中で思います。

その瞬間は、静かな達成感があります。



mutoのストールらしさ

Q.mutoのストールの特徴といえばどんなところだと思いますか?

私が思うmutoのストールの特徴は「天然素材で、軽く、どこにもない滑らかな生地。」

天然繊維ならではのやわらかな風合い。

そして、身につけたときの軽さ。

私はmutoに入社する前にmutoのストールをお客さんとして購入しました。

初めて触った時のあの感覚をたくさんの人に味わってもらいたいです。

また、肩にかけたときの負担が少ないのも、織り方や素材を大切にしているからだと思います。



大人だからこそこだわりたい

Q.このストールはどんな人が使ってくれると思いますか?

「素材の良さにこだわる人です。」

長く使えて品質にもこだわりたい方、触れたときの感触や、使い心地を大切にする人に支持されるのかなと思います。

自分のお気に入りのもを増やしていただきたいですし、そんな方に使ってもらえたら嬉しいなと思います。



POPUPで感じること

Q.販売員として店頭に立つ際に大切にしていることはありますか?

POPUPで店頭に立つときに大事にしているのは、まず 手に取ってもらうこと。

ストールの使い方や、素材の良さ。を伝えています。

自分が知っていることを伝えながら「まず触ってみてください」と声をかけます。

すると多くの方が、こう言います。

「すごい軽いですね。」
「こんな生地触ったことない!すごい気持ちいい生地ですね。」

その驚いた反応を見るのが嬉しいです。



職人から、使う人へ

Q.mutoのストールを手に取る人へ伝えたいことがあれば教えてくだい。

「とにかくたくさん使ってもらいたいです。mutoのストールは普段使いでもちょっと特別な日でも装いに華やかさをプラスしてくれます。1枚あると持っててよかったなと思います。」

そしてもう一つ。

「天然繊維を使うことは、環境にもやさしい選択です。自然に還る素材を使うことで、使っているだけでも環境にやさしい行動に参加できるのもいいことだなと思います。」

そんなことを感じてもらえたら嬉しいと話してくれました。



一枚のストールの裏側

軽くて、やわらかい一枚のストール。

その裏側には、細い糸を一本ずつ確かめながら織る静かな仕事があります。

カタン、カタン、と織機の音が響く中で、今日もまた一枚の布が生まれています。